director's voice

小塚 晋哉さん 木工 京都


今回、ひとりきりの男性木工作家となった小塚さん、
「工房からの風」には、どのような作品を出品くださいますか?

A
日常使いの器やカトラリーを主に製作しています。
パン皿やリム皿、デザートスプーンやパスタフォークなど。
ひとつひとつを切って削って彫って磨いて。。。

毎日使ってもらいたい道具だから使いやすさや丈夫さはもちろん、
見た目も美しく、飽きることのないモノを。
そんな木の道具たちを出品します。

小塚さんの作品はバリエーションが豊か。
今頃は、ほとんど仕上げも終わって、当日に向けて諸々整えられている頃でしょうか。

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Q
出展が決まってから、小塚さんご自身やお仕事などに変化はありましたでしょうか?


出展が決まったとき、純粋に嬉しかった。
自分の作るモノにもっと自信を持っていいんだと
誰かが言ってくれたような気がしました。
その分プレッシャーも感じるけれど、
より楽しんでモノ作りが出来るようになったと思います。

このブログは出展作家を応援するものですから、
どの方にも「愛」をもって綴らせてもらっています。
その大前提の上に立って書かせてもらうのですけれど、
木工の選考、すごく迷いました。

まず、木工、特に器の応募の方々の作品がとても似通っていたこと。
お皿、ボウル、カップ、カトラリー・・・
どの器も、どこかで見たことあるなぁ、同じ感じだなぁ。
、、、というものが多いのです。

ここでオリジナリティーのことを語るととても長くなりますし、
この場にふさわしいことではなくなってしまいます。
ですから、ざっくりとにせざるを得ませんが、
同時代に好ましく思うかたちは、そんなにバラバラにはなりませんね。
なので、ある共通な雰囲気はあって当然だと思います。
また、新しいかたちであればよい、と思っているわけでもありませんし、
もちろん、奇をてらったものを求めているのでもなく。

ただ、「工房からの風」でご紹介するひとの仕事は、
その作り手の中から立ち上がってくるものでありたいと願っています。
あまりに同じ空気感の作品の応募が並ぶ中、どの方を選ばせてもらったらよいのだろう。
悩みます。
完全正解などはないでしょうが、精一杯悩みます。

木工は特に人気のある作家の方の影響もきっと強いのだと思います。
そして、野外展の雰囲気の中でよく選ばれるアイテムになっていることもあります。

その中から、来場者の方々にも喜んでいただけて、
作家としてずっと作り続けてゆける人を選ばせてもらうことができるのか。
とても難しい選考になってしまいます。

今回、小塚さんに出展いただいたのは、仕上げのきれいさや、
作品構成の豊さ、作品群の統一感。(デザインの破たんがないこと)
そして、うまく言えないのですが、清潔な感じを受けたからでした。

その後、ミーティングや懇親会に出席くださって、
新たな出会いを重ねられた小塚さん。
作家同士の交流も、作家を前に進ませる力になっていきますね。

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Q
好きな言葉、座右の銘、何気なく工房の壁に貼りとめているフレーズなど、
小塚さんが大切にしている言葉を教えてください。

A
モノを作る際に大切にしている事として「楽しむ」ということ。
「作ることが楽しい」
自分の原点を忘れないように。
楽しい気持ちで作らなければ、良いモノは出来ないと思うから。
楽しんでモノを作れば、その楽しさはモノを通じて伝わると思うから。

自分の原点、泉を忘れないことは、何事にも大切なことですね。
展覧会を機に、そのことを再確認することも、次への正確なステップにつながっていくことでしょう。

小塚さんのテントは、おりひめ神社鳥居のふもと。
毎年、木工の方が出展される場所のひとつです。

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